グラビアでの文字品質について

Craftsmanship
彫刻の文字

グラビアでの文字品質について

パッケージデザインの重要な要素として「文字の太さ(ウェイト)」が挙げられると思います。しかしデータ上同じ文字を出力しても、インクジェットプリンタとレーザープリンタでは文字の太さは随分違ってしまうという経験をしたことのある方は多いのでないでしょうか?

これは紙への印字方式の違いによって生じるものですが、グラビア印刷で起こる類似のケースとして「同じ文字のデータでもヘリオで彫刻した場合とレーザー製版でエッチングしたものでは文字の仕上がりの印象は多少違って見える」ということがあります。

彫刻での文字

彫刻での文字

レーザー製版での文字

レーザー製版での文字

上の写真は同じデータをヘリオで製版したものと、レーザー製版したものの弊社サンプルです。同じデータで製版しても、彫刻版の文字はやや細く、特に上段の新ゴLはややかすれた印象です。逆にレーザー版の文字は全体的にやや太った印象になっていることがわかります。

文字の太さ以外にも、彫刻版は文字のエッジに小さいセルが発生してギザギザしてしまう特性があり、レーザー製版と比べた場合に文字の再現性が低くなるというのが一般的な認識です。

製版方式の違いにかかわらず、小さい文字や細い文字はカスレてしまったり、漢字は潰れ気味になるなどして可読性が低下しがちですが、パッケージにおいては栄養成分表示や法律で定められた表記など、確実な可読性を必要とする文字があります。

可読性の高い美しい文字品質の実現のために、イシトク画像処理部ではこうした特性を熟知したオペレータが、入稿したデザインデータを隅々までチェック。製版方式の違いによって生じてしまう見た目の差が極力出ないような補正をしています。